2007年08月26日

祇園さんから下る坂

sakamiti0708.jpg
クリックすると拡大

 祇園さん(八坂神社)は子供の頃(1950年代の末から1960年代の初め)遊び場のひとつ。そこから町へ下る坂である祇園小路は小学校からの帰り道でもあった。左手が織本屋の塀、正面に見えるのが阿佐商店の倉庫だと思う。手前右はその昔、本木という家で乳牛を飼って、牛乳販売をしていた。
 左手に長く続く織本屋の塀は白壁に平瓦葺き。塀に沿ってやや深い溝があった。溝と言うよりも祇園さんへ続く坂道が実は盛り土されて出来たものかも知れない。

 この道で思い出すのは祇園さんのお祭り(季節も、何月にあったのかも忘れている)のときのこと。境内を目差す人でごった返していた。でも今、改めてこの道を見るとなんとも狭い細長い坂道であることか。
 祇園さんのお祭りには、境内だけではなく、手前にある黒住教、地蔵堂の広場、町に下って織本屋、谷医院のあたりまで屋台店が並んだ。思い出すのは黒住教の前当たりに毎年のようにパチンコ台が並んでいたこと。

 この本木(間違っているかも)にはボクよりも年長の男ばかりの兄弟がいた。一番下の子でもボクよりも5歳くらいは上だったはず。よく山に連れて行ってくれて、「おべん(アケビの実)」を取ってくれた。また驚くほど木登りが上手で西山の谷(地図を見ると南谷川)の斜面の突出して高い木に上り、クマゼミを手で捕まえたのを記憶している。

 この坂道ではよく遊んだ。坂道のいちばん上から三輪車、二輪の子供用自転車で一気に下りる。確か一緒に下っていた子が織本屋の溝に落ちた。誰だったろう、思い出せない。
 四国とはいえ、冬には雪が積もることもある。そんなとこには「きんま(木馬 木で作った橇)で下った。でも冬でもあまり気温が下がらないので、なかなか滑るという具合にはいかなかったな。

 正面に見えるのが東山(ひがっしゃま)である。そう言えば東山という名の山なのだろうか?
posted by ぼうずコンニャク at 17:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 路地の記憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月14日

東浦南に抜ける小道

JIROHANN0708.jpg
クリックすると拡大
右手が“じろはん”の家、左手が高来家。貞光川から南町にもどる

 南町から、貞光川におりるには、南町の北の端っこ、松浦薬局南側の細い細い路地を東に抜ける。町の家作は間口も広いが奥行きはもっと長く、裏手に貸し屋や長屋がある場合が多い。松浦薬局には貸し屋はなく、それでも波打つ黒いトタンの塀は長い。南にも家作はあり、これは岡家のもの。ここにもいくつもの貸し屋があった。
 松浦薬局建物を東に、ゆっくり下りながら通り過ぎると北に芋(とろろ芋)のツルを這わした垣根。この垣根でよくたわむれにむかごをとった。その垣根の奥が長屋で金川金物店のもの。ここに「いずみ(漢字がわからない)のあんにゃ(あんちゃん)」という人がいて川に連れて行ってもらっていた。その反対側が狭い畑。そこからまた歩くと右手に高来家、左手に“じろはん”の家があった。

 この“じろはん”はボクよりも7歳近く年上だったはず。東浦の子供にとってのガキ大将的な存在で、幾人もの子供を引き連れて歩いていた。ボクは所謂、東浦の子供ではなかったが、ときどき“じろはん”に着いて歩いていた記憶がある。
 たぶんスポーツも出来るし、男気もあるという人だったのだろうけど、ボクとは年齢が違いすぎた。“じろはん”の家を左に見ると、正面に南北に通じるやや広い路地がある。
●注/貞光では年長者などを呼ぶときに「さん」ではなく「はん」と名前の後に敬称がつく。

 ボクはこの路地で気を失ったことがある。子供の頃、夏は、わらびもち、寒い時期には、薄っぺらいお好み焼きを売るおじいさんが、町内を屋台を引いて歩いていた。このおじいさんのことは多分、2007年現在40歳代後半から60歳くらいの方はみな記憶があると思う。それほど目立つ存在であったはずである、子供には。その屋台を“じろさん”の家の門前で見つけて、1,2メートル歩いたときに気を失ったようだ。気がついたときには、小さな溝に頭をつけるように倒れていた。助け起こしてくれたのが、この屋台のおじいさんだった。

 この今ではあまりにも細い過ぎる路地を、右手に“そろ(竹製の土などを運ぶ片側が開いたザルのようなもの。これが1960年前後の魚取りの道具だった)”、左手にバケツを持って目指すは貞光川である。この道を歩くのは30年近ぶりのことだろう。なのに今でも鮮明に、はっきりと“そろ”の回りのやや太い竹の感触、ブリキのバケツの底が日差しに反射して眩しかったことが思い出される。
posted by ぼうずコンニャク at 16:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 路地の記憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする